古田武彦先生講演会と深志同窓会関西支部第37回(2009年度)総会

(参加者数:古田先生講演会35名、総会・懇親会39名)

     平成21年10月25日(日)リーガロイヤルホテル大阪「牡丹の間」において、古代史研究家・古田武彦先生の「深志の原点と日本の未来」と題した講演会、引き続き関西支部総会・懇親会を開催しました。

 古田先生は、1948年(昭和23年)東北帝国大学卒業後、当時の岡田甫教頭の招きにより深志高校に着任し、1954年(昭和29年)まで国語の教鞭を取られました。講演会は、深志の教師時代のお話から始まりました。新任当時は、石上順先生、藤岡筑邨先生に助けてもらったこと、進駐軍が深志高校に来た時、岡田校長が毅然として応対したことなど、先生のその後の研究の原点ともなった経験をお話しされました。古代史のお話では、最新の研究内容にも触れて、古事記の「天の沼矛(アメノヌボコ)」は最古の写本では沼矛ではなく「天の沼弟」となっており、これはアメノヌデと読み、大阪の柏原市に鐸(ヌデ)神社という神社があることから、「天の沼弟」は銅鐸のことではないかとの非常にあたらしい議論も紹介されました。最後に「日本の未来」のあるべき姿として、原爆体験を基に、「誇りを持った日本人」、「日本人の伝統としての敵をすら思いやる心、敵のために祈る心」についてお話されました。先生はこのことを実践するために、原爆を投下した米軍パイロットのために祈る場を広島に設置することに尽力されています。二時間のご講演でしたが、先生の熱気溢れるお話に引き込まれ、あっという間に時間が経ちました。


 講演会に引き続き、総会と懇親会が開かれました。御来賓として、松本深志高校教頭・五味千万人先生、同窓会副会長・相澤英伸様(深志4回卒)、東京支部副会長・中藤照美様(松中68回卒)がご参加下さいました。懇親会は昨年に続き奴久妻智代子さん(30回卒)の名司会で、こちらも二時間があっという間に過ぎました。「古田先生の今日の講演は本当にすばらしかった。深志にいたころも今日くらい面白い授業をしてほしかった。」という古田先生の授業を当時受けた方からのコメントにはみなさん大笑いでした。